ラジオの前のみなさん、こんばんは。
金曜23時。IDOLiSH7の和泉一織がお送りします、”和泉一織のミッドナイトストーリー”の時間になりました。
受験生のみなさんは、そろそろ追い込みの時期でしょうか。風邪やインフルエンザに気をつけて、あたたかくして過ごしてくださいね。二酸化炭素濃度が高いと眠くなりやすいですから、ときどき部屋の換気も忘れないで。睡眠不足はパフォーマンスの低下を招きますから、本当に眠いときは無理せず寝てしまいましょうね。当番組はディレイ配信もありますよ。
さて、本日もお便りのコーナーから。東京都にお住まいの、ラジオネーム『時差５時間』さん。
『一織くん、こんばんは。いつもラジオを楽しみにしています。』
はい、こんばんは。ありがとうございます。
『IDOLiSH7がデビューしたときからのファンです。社会人一年生で右往左往していたときにアイナナに出会って、アイナナのみんなが頑張っている姿に励まされてきました。一番年下なのにしっかり者の一織くんを見ていると、背筋が伸びるような気持ちになります。
高校生で、夜遅くの番組には出られなかった一織くんが、深夜ラジオのパーソナリティになったときは、大人になったんだーって勝手にちょっと感慨深かったです。それから毎週楽しみに聞いています！』
ふふ。デビュー当時から応援してくださったんですね。当時はずいぶん背伸びをしていたので、少し恥ずかしいですが、嬉しいです。ありがとうございます。
『実は先月、同じ会社の人に告白されました。同期で、同じプロジェクトに長く関わって、気心の知れた友人です。仕事ではぶつかることも少なくないんですけど、真摯な向き合い方が尊敬できる人です。彼も私のことを尊重してくれていると思います。プライベートでは趣味や価値観が近くて、何時間でもお喋りのできる相手でもあります。
私も彼が好きです。あの人の隣で人生を過ごしていけたらいいなと思います。
でも、彼は去年から長期の海外赴任中で、告白を受け入れても遠距離恋愛になってしまいます。仕事はやりがいがあって楽しくて、辞めて彼について行くことは考えられません。彼もこんな時期に告白していいのか悩んだそうです。でも、毎日職場で会えていた私と会えなくなって、そうしたら恋人という立場が欲しくなったと言ってくれました。
そのときは返事を保留したんですけど、やっぱり彼が好きな気持ちが抑えられません。不安はありますが、お付き合いをＯＫしようと思います。月末の連休に、弾丸旅行ですけど彼のところに行って、返事をしてきます。
でもやっぱり少し怖いので、一織くんに背中を押してもらいたいです。私に勇気をください。お願いします。』
……という、お手紙です。
すてきな恋をなさっているんですね。文面からも、あなたの気持ちが伝わってきます。
うん。背中を押して欲しい……ですか。
このメッセージ、先週の放送中にいただいたんです。放送終了後に読ませていただき、思うところがありまして……。
私の、個人的な話になりますが、聞いていただけますか。
うちの事務所では特に恋愛や結婚を禁止しているわけではないんですけど、ファンの皆さんにとってはやはり私たちの恋愛事というのは愉快なことではないだろういう考えで、活動してきました。この仕事――アイドルをしている限り、誰かと交際することも、もちろん結婚することも、ないだろうと考えていたんですね。
ですが、私たちもデビューして八年です。私や四葉さんもアラサーと呼ばれる年齢になり、インタビューやトーク番組で、恋愛や結婚の話を振られることも増えてきました。
デビュー当時から、恋の歌もたくさん歌ってきましたし、この番組にいただくメッセージにも、今日のお便りもそうですが、恋の悩みを書いてくださる方が多くいらっしゃる。
……なんて言ったらいいんでしょうね……、アイドルという、歌うだけじゃない、演技をするだけじゃない、皆さんに人生を応援していただく立場だからこそ、恋愛というものをすっかり遠ざけてしまうのも不自然なことではないのかなと、考えるようになりました。
と、いうのは、……ええと、その……、実は私もですね、先日……、先日というか大分前かな、――交際を。申し込まれるということが、ありまして。
……はは。ラビッターが濁流だ。はい、ラジオ放送中もエゴサを怠らないＳＮＳ時代のアイドル、和泉一織です。
その、ね。
お断りは、したくないなと、……思ってしまったんです。
はい。
すみません。泣いている方も、怒っている方も、いらっしゃるのはわかっています。
ですけど……。
私を、私たちを、応援して下さる方、見守って下さる方がたくさんいらっしゃって、私たちは初めて、アイドルでいられるんです。きらきらした、すてきなものだけ見ていただければ、きっと一番いいんでしょうね。でも、嘘で塗り固めた和泉一織だけ差し出して、……ずっとそれを続けて、それでいいのかなと。
……思って。
泣かないでください、と言える資格は、ないんですけど……。
ごめんなさい。…………。
メッセージをくださった『時差５時間』さん。
あの、気にされないでくださいね。あなたのせいとか、あなたがきっかけだとか、そういうことではないんです。それは全くない。
ただ、この番組で、私から、お伝えしたかったんです。
『時差５時間』さん。そして、いま恋をしている、全てのみなさん。私もがんばりますので、あなたも、どうかがんばって。もしかしたら、幸せなことばかりではないかもしれない。それでも、あなたの見つけた、共に人生を歩みたい人の手を、どうか離さずにいてくださいね。……お幸せに。
以上、お便りのコーナーでした。
続いて、ゲストトークの…………はい、はいちょっと待って、待ってくださいね、まだマイク入れないで、私の向かいで見えないしっぽをぶん回してるそこの人、あなたですよあなた、いいですか落ち着いて、生放送ラジオですからね、放送事故にしないで。このあと話しましょうね。
……あ。
っ、はは……。
いや、その……。
あの。みなさん、気の早い祝福メッセージをありがとうございます。
……っ、……ありがとう、ございます。
お察しの通りです。はい。そんなにわかりやすいですかね……。いえ、まだ本人には返事をしていないんですけど。まあ、したようなものですよね……。
はいはい、お待たせしました。マイク入れますよ『いおりぃ～～～～～～～！！！』…………ああもう……。
――あ、はい。大丈夫です。みなさんご心配くださってますが、事務所のＯＫは先にいただいています。ええ、外堀から埋める男ですので。さきほど公式サイトに記者会見の日時が掲載されたかと……あ、サーバ落ちました？
ということですので、こちらで告知しますね。記者会見は明朝９時を予定しております。Ｗｅｂ配信もあ『いおりだいすき！』わかりましたから。泣かないで、七瀬さん。はいはい、私が悪かったです。
すみません、トークはのちほど。この人を泣き止ませないと。
先に一曲、お聴きください。
IDOLiSH7で、『ハツコイリズム』。