IDOLiSH7ファンクラブ会員の皆様へご報告 - 2/2

「こんばんは! IDOLiSH7の七瀬陸です!」
「和泉一織です。こんばんは。配信をご覧の皆様、急な日程にもかかわらずご都合を合わせてくださり、ありがとうございます」
「ありがとうございます! あとからアーカイブで見てくれてるみなさんも、ありがとう!」
「先立ってメールでお知らせしました通り、本日は皆さんへご報告があり、このような機会を設けていただきました」
「ずっと応援してくれたみんなに一番に伝えたくて、ワガママを言ってこういう形にしてもらいました。本当は、みんなの顔を見て伝えたかったんだけど……」
「ファンクラブ会員のみなさん全員をどこかの会場にお招きすることは現実的に考えて難しいですからね。Web配信という形になりますが、お付き合いいただけましたら幸いです」
「うん! コメントも見てるよ! 流れが速いけど、あとで必ず全部読ませてもらうね」
「はい。……では、七瀬さん、そろそろ本題に」
「はーい。ええっと……あはは、すっごい緊張する!」
「……私から言いますか?」
「あは、そのフレーズ懐かしい! オレのセリフじゃんか! ……うん、大丈夫。ちゃんと言うよ。
 えーと、ごほん。――オレ、ううん、私、七瀬陸は、ここにいる和泉一織と、結婚します。というか、さっき、してきました。……一織はオレの親友で、相棒で、かけがえのない仲間です。そして、今日からはそこに、家族って名前が加わることになりました」
「はい。――七瀬さんがいまお伝えしました通り、先ほど婚姻届を提出してきました。別姓を選択しましたので、私の戸籍上の姓名は和泉一織のままですが、七瀬さんと、私で、ひとつの戸籍になります。……こちらがその婚姻届です。住所などは個人情報ですので、お見せできませんが、ご容赦ください」
「あ、気づいてくれた人がいる。そうです、前に、一織とオレでブライダル雑誌に載ったとき、付録になっていたよね。嬉しかったから、いつか使いたくて、ずっと取っておいたんだ。あのときは、一織と結婚できるなんて思っていなかったけど……。
 みんなには、ずっと黙っていて、ごめんなさい。みんなも知ってのとおり、オレたちがデビューして十五周年になります。デビューしたときから、一織はオレの一番の親友で、誰より支えてくれる大切な人でした。お付き合いしてくださいって言ったのはオレからです。五年くらい前かな。一織にはね、『ファンのみんなに悪いから、仲間でいましょう』って言われて、フラれちゃったんだけど、」
「ちょっと、七瀬さん。そんな事細かにお伝えしなくてもいいんじゃないですか」
「そうかな。でも、ちゃんと報告したほうがよくない? ――あ、ありがとうございます。続けていいって。うん、それで、フラれたんだけど、一織がオレの一番なのは変わらなかったしね。それで、何年目だったかなぁ、じゃあ付き合ってくれなくてもいいから、オレのこといつか好きになれそうかどうかだけ教えて、って聞いたら、『わからないんですか鈍い人だな』って怒られました。ツンデレだよね」
「あああ……もう…………。すみません私もう抜けていいですか。だめですか。だめですよね。はぁ……。ンン、ええと、はい、――七瀬さんは、ずっと私のヒーローなので」
「一織」
「ちょっと黙って。――私は、以前にも言いましたけど、たぶん世界で一番七瀬さんの歌が好きな人間なので、七瀬さんを愛してくださる皆さんの気持ちに陰を落とすようなことは、可能な限り避けたかったんですが、……でも、自分に嘘って、案外つけないものなんですよね。周りの皆さんにも散々怒られまして」
「壮五さん、すごかったよね」
「すごかったですね……。ちょうど新曲を書いてらした時期というのもあって、『そんな半端な気持ちの人に、ラブソングなんか歌わせられないよ!』と」
「似てない」
「うるさいです」
「あと三月が怖かった」
「怖いとはなんですか、私たちを想うからこそ厳しく言ってくださったんでしょう。……あれやこれやありまして、昨年夏、婚約の運びとなりました」
「一織は省略しすぎじゃない?」
「経緯を長々喋っても仕方ないでしょう……。応援してくださる皆様の中には、落胆なさる方もきっといらっしゃるかと思います。ですけど、七瀬さんも、私も、ライブや、歌や、ダンスや、演技で、皆さんに素晴らしい時間や体験をお届けしたいという気持ちに変わりはありません。そして、皆さんの幸せを願う私が、嘘偽りなく幸せでいることが大切なのではないかと、思うようになりました。そして、……私の幸せには、七瀬さんがいてくださることがどうしても必要なので、皆様、どうか、お許しください」
「オレも一織が隣にいるから幸せだし、一織を失ったら幸せじゃいられないです。そういう、幸せなオレたちから、みんながめちゃくちゃ幸せで楽しくなれるような歌とか、ステージとかを、みんなの元に届けられるように、これからも頑張ります。だから、応援して欲しいな。ううん、応援してくれなくてもいいです。オレたちは全力でIDOLiSH7をやっていくので、オレたちの全力がみんなのところに届いて、少しでも元気になってくれたら、すごく嬉しい」
「はい」
「これからも、IDOLiSH7をよろしくお願いします」
「よろしくお願い申し上げます。――」
「――――。ちゃんと言えた? オレ」
「ちゃんと、ではなかったですね。お見苦しくてすみません……」
「でも、オレたちらしくできたと思う」
「はい。――みなさま、本日はご視聴誠にありがとうございました。大変恐縮ですが、事前にメールでご案内致しましたとおり、今回の配信内容につきましては、明日正午までどうかみなさまの胸にしまっておいていただけますよう、重ねてお願いいたします。当配信についてご意見等ございましたらファンクラブ公式サイトにログインの上、メッセージフォームよりお送りください」
「ファンクラブのみんなに一番最初にお知らせしたくて、こういうかたちにしたから、もう少しだけナイショにしててくれると嬉しいな」
「よろしくお願いいたします。――それでは、お名残惜しいですが、本日はこれにてお別れとさせていただきます。また近いうちに全員からのメッセージ動画をお届けできるかと思いますので、どうぞお楽しみに。以上、IDOLiSH7の和泉一織と、」
「七瀬陸がお送りしました!」
「「バイバーイ!」」